こんにちは!
皆さん、牛乳パックの上にくぼみがあることをご存じですか?
上の画像にもあるように、牛乳パックには半円に欠けたようなくぼみが付いています。
このくぼみ、実はちゃんとした理由があって付けられているんですよ!
もくじ
牛乳パックの上にある“くぼみ”について
このくぼみは「切欠き(きりかき)」と呼び、障がい者の方に分かりやすく伝えるためのものです。

視覚障がい者の食品に対するアクセス改善(バリアフリー対応)の一環として、農林水産省が1993~1995年の三年を掛けて行った調査を行いました。
調査の中で「飲み物の容器で不便を感じるもの」という項目に「紙パックの飲料」に対しての不便が最も多く、「牛乳とその他の飲料を区別できるようにしてほしい」という声が76.8%も上がりました。
この結果を受けて、行政・個人・業界団体が協力して牛乳パックの仕様変更を検討しました。
そして、2001年から紙パックの牛乳に「切欠き」を付けられることになりました。
グラフの情報出典:公益社団法人共用品推進機構
切欠きが付いている紙パックの種類
切欠きは、すべての乳飲料に付いているわけではありません。
原料に生乳(せいにゅう)を100%使っている種類別:牛乳の商品にだけ付けられています。
また、切欠きについては任意表示となっているためメーカーによっては付けていない場合もあります。
牛乳の「切欠き」実施基準
切欠きの具体的な基準については以下のようになっています。

- 対象商品:種類別「牛乳」のみとする
- 識別方法:扇状の「切欠き」を1個とする
- 識別規格・位置:「切欠き」の半径Rは2.5mm又は6.5mmとし、開口部の反対側とする
- 対象容器:500ml以上の家庭用紙パック(屋根型容器)とする
JIS規格(日本工業規格「高齢者・障害者配慮設計指針-包装・容器」)に基づく
半径RのRというのは半円の孤となるカーブ部分のことですね。
細かくミリ単位で定められていますが、消費者の私たちが知っておくべき点を要約すると以下の通りです。
- くぼみが有れば、牛乳
- くぼみが無ければ、その他の飲料
- 500ml以上の牛乳にくぼみがついてる
- 開け口はくぼみの反対側にある

このように手に取って触ることで牛乳かそれ以外の飲料か判断できる上に、開け口と反対の側にくぼみが付いているため、飲む時にどちらから開ければ良いかを判断することも容易になっています。
切欠きについてのまとめ
いかがでしたでしょうか?
牛乳パックのくぼみは、障がい者だけに限らずご高齢者の皆さんにとっても分かりやすく、牛乳を選ぶ際に間違えて買うことのないよう配慮した「優しさ」だったんですね。
できることなら、すべての牛乳パックに適用されるようになってほしいと願います!